「貴様! ……悪あがきをする気か!?」
「悪あがき? 何のことかね? 私は新庄君に会いに行くだけだ。邪魔をしないでもらおいうか。二分以内という約束に遅れたら私は大弱りだ。――新庄君だって悲しむぞ!」
「貴様……! 世界の決着と逢い引きととどちらが大事か!?」
「馬鹿者! ――違う問題を一緒に並べて考えるな!!
大体、私が新庄君に会いに行くことの方が世界の決着より優先度が高いに決まっているだろうが!! いいかね? 私が交渉役が。私が新庄君に会いに行かねば交渉は始まらない。ゆえに世界の決着は新庄君よりも優先度が低い。――何か問題があるのかね!?」
「い、いや待て、ちょっと待て、今……、嘘が通用しない概念下だよな、ここ」

終わりのクロニクルⅤ下巻より
佐山・御言と「軍の兵士」の会話。

嘘の通用しない世界において、嘘偽りなど全くなしにこう言い切った佐山。お前、漢だ!